もう10年以上前の話。成人式で着た振袖、今でも心に鮮明に残っているよ。当時は「既製品レンタル」で十分と思ってたけど、母が「ママ振り」を提案してくれてね。彼女が結婚式で着た振袖をリメイクしてくれたんだ。あの時の母の嬉しそうな顔、忘れられないよ。
「母親と一緒に振袖選び」って、なんて特別な時間だろう。母が若かった頃の話を聞きながら、一緒に生地を選んだり、デザインについて話し合ったり。あの時の母の眼差しは、今でも私の心に温かく残ってる。
そして、成人式の前には「前撮り」をしたんだ。あの日は、まるでタイムスリップしたみたい。母の振袖を着て、彼女が若い頃に立っていたであろう場所で写真を撮るのは、なんとも言えない感慨深いものがあったよ。
成人式の日、あの振袖を着ている私を見て、母は涙ぐんでいた。その時は「何泣いてんの？」って思ったけど、今ならわかる。私も子供を持つ
母になったから。あの振袖は、ただの衣装じゃなくて、母から私へ、そしていつかは私から娘へと受け継がれる、家族の愛と歴史を纏った宝物なんだよね。
今でも、あの振袖は私のクローゼットに大切に保管してある。時々出しては、あの日のことを思い出す。母との絆、そして成人として一歩を踏み出した日の感動。あの振袖には、たくさんの思い出が詰まっているんだ。
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